オンページSEOは、検索エンジンでのパフォーマンスを向上させるために、ウェブサイト内の要素を最適化するSEO施策の一つです。
ウェブサイトのトラフィックを増やし、コンバージョン率を上げるためには、オンページSEOの施策を正しく実行することが不可欠です。
近年、SEOの施策は多岐にわたる中、オンページSEOの重要性は高まっており、検索エンジンのアルゴリズムの進化に伴い、その役割がさらに大きくなっています。
オンページSEOは、自社でコントロールできる内部の要因に焦点を当てており、具体的にはコンテンツ、HTMLタグ、内部リンク構造、ページ速度、モバイルフレンドリーなどを最適化します。
一方、外部リンクやソーシャルメディアでのシェアといった「オフページSEO」との違いもありますが、オンページSEOはウェブサイトの所有者自身が完全に管理・改善できるという利点があります。
本記事では、オンページSEOの基本的な要素を解説し、それを効率的に行うための無料ツール10選を紹介します。
これらのツールを活用することで、限られた予算やリソースの中で効果的にSEO対策を進められるでしょう。
目次
オンページSEOの基本要素
オンページSEOの成功は、いくつかの要素に依存しています。
これらを理解し、適切に実行することで、ウェブサイトの検索エンジン上のパフォーマンスが大きく向上します。
コンテンツの最適化
SEOの根幹はコンテンツにあります。
検索エンジンは、ユーザーの検索意図に最も適したコンテンツを提供することを目指しています。
したがって、質の高いコンテンツの提供は、オンページSEOにおける最重要事項です。
キーワードの適切な使用
コンテンツ内にキーワードを自然に盛り込み、読者が期待する情報を提供します。
過度なキーワードの詰め込みは、逆に検索エンジンからペナルティを受ける可能性があるため注意が必要です。
SEOで絶対にやってはいけない5つのミス
コンテンツの質とオリジナリティ
検索エンジンはユーザーのニーズを満たすため、オリジナルで価値のあるコンテンツを評価します。
情報の正確さや、ユーザーの問題解決に役立つかどうかが重要です。
コンテンツSEOを依頼する際のポイントと注意点
メタデータの最適化
メタデータは、ウェブページが検索エンジンにどのように表示されるかを決定します。
特に以下の要素が重要です。
タイトルタグ
ページの主題を的確に表現し、検索結果ページでクリックを促す効果があります。
キーワードを含めつつ、魅力的なタイトルを作成しましょう。
メタディスクリプション
検索結果で表示されるページの簡単な説明文です。
ここでも重要なキーワードを自然に使用し、ユーザーにクリックを促すような魅力的な文章を作成することが推奨されます。
画像のalt属性
検索エンジンは画像を直接認識できないため、画像の代替テキスト(altタグ)を正確に設定し、画像がどのようなコンテンツかを説明することが必要です。
モバイルフレンドリーとページ速度
モバイルデバイスでの利用が増加する中、ウェブサイトがモバイル対応しているかどうかは、検索エンジンのランキング要因としてますます重要になっています。
モバイルフレンドリー
モバイル対応がなされていないサイトは、検索結果で不利になることがあります。
レスポンシブデザインや、モバイル専用のページを用意することが推奨されます。
ページ速度
ページの読み込み速度は、ユーザーエクスペリエンスに直接影響します。
遅いページは、ユーザーの離脱率を高め、検索エンジンからも評価が低下する可能性があります。
これら、モバイルフレンドリー、ページ速度などの最適化については、下記の記事で最適化評価ツール「Google Lighthouse」を詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
Google Lighthouseの使い方と評価項目の紹介
Google Lighthouse(ライトハウス)は、ウェブサイトのパフォーマンスやユーザー体験を評価するためのツールです。
本記事では、Google Lighthouseの概要、使い方、各評価項目の詳細について詳しく紹介します。
URL構造と内部リンク
URL構造はユーザーと検索エンジンの両方にとって重要です。
短くわかりやすいURL
短く、キーワードを含むわかりやすいURLは、検索エンジンに好まれます。
また、ユーザーも容易に理解できるURLは、クリック率を向上させます。
- 良い例(短くわかりやすいURL)
- このようなURLは、コンテンツの内容が一目でわかり、キーワードもシンプルに含まれています。
例えば、seo-tipsといった具体的なキーワードが使われているため、検索エンジンにも好まれます。 - 悪い例(長く複雑なURL)
- このようなURLは、長すぎて内容がわかりづらく、不要な情報(IDや複数のカテゴリ)が含まれているため、ユーザーや検索エンジンにとって理解しにくいです。
内部リンク
サイト内のページを適切にリンクさせることで、ユーザーがサイト内でより多くの情報にアクセスできるようになります。
また、検索エンジンのクロールも促進されます。
内部リンクの正しい貼り方【時代に左右されないSEO】
無料で使えるオンページSEOツール10選
オンページSEOの施策を効果的に行うためには、適切なツールの活用が不可欠です。
以下では、無料で利用できるオンページSEOツール10選を紹介します。
1.Google Search Console
https://search.google.com/search-console/about
Googleが提供する無料のSEOツールで、ウェブサイトのパフォーマンスを詳細にモニタリングできます。
カバレッジ、URL検索、クロール統計などのレポートを提供し、インデックスやクロールに関する問題を迅速に特定できます。
おすすめの使い方
サイトのパフォーマンスを定期的にチェックし、特定のページがインデックスされていない場合や、エラーページが発生している場合に迅速に対応しましょう。
2.Bingウェブマスターツール
https://www.bing.com/webmasters/help/seo-reports…
Google Search Consoleと同様に、Bingの検索エンジンに特化したSEOレポートを提供します。
サイトスキャン機能や、特定のSEO問題に対処するレポートもあります。
OpenAIが提供する生成AI検索エンジン「ChatGPT Search」は、将来的にGoogleの地位を脅かす存在になる可能性もあります。
そして「ChatGPT Search」が主に使用するインデックスデータはBingであるため、今後はBing検索結果の重要性が高まるかもしれません。
参考:OpenAI Reddit AMA And SEO For ChatGPT Search
おすすめの使い方
Bingでの検索エンジンパフォーマンスを向上させたい場合に利用する良いです。
特にBingでの流入を強化したい企業に有効です。
bing検索とは?インデックスに登録する方法
3.HTTP Status Code Checker
HTTPステータスコードを確認できるツールで、ウェブサイトのリダイレクトやエラーを素早く特定します。
200、301、404などのコードをチェックし、ページの健全性を保つのに役立ちます。
- 200 OK
- リクエストが正常に処理され、ウェブページが正しく表示されている状態を示します。
- 301 Moved Permanently
- リクエストされたページが永久に新しいURLに移動されたことを示し、SEO的にはリダイレクト先のページに評価を引き継ぎます。
- 404 Not Found
- リクエストされたページが見つからないことを示し、ユーザー体験やSEOに悪影響を与えるため早急な修正が必要です。
おすすめの使い方
リダイレクトの問題やエラーページを検出して修正するために定期的に利用します。
4.Ahrefsウェブマスターツール
https://ahrefs.com/webmaster-tools
Ahrefsが提供する強力なSEOツールで、バックリンクや内部リンクの最適化、SEO監査を行えます。
特に、競合分析やキーワードリサーチに役立ちます。
おすすめの使い方
サイト全体のSEO監査を定期的に行い、内部リンクや外部リンクの質を向上させるために利用します。
5.Checkbot: SEO
https://chromewebstore.google.com/detail/checkbot…
ウェブサイトのSEO、ページ速度、セキュリティをチェックするChrome拡張機能です。
無料プランで1,000ページ以上をクロールし、包括的なレポートを提供します。
おすすめの使い方
ウェブサイト全体の状況を一括で把握し、SEOの改善ポイントを一目で確認できます。
6.SEO Minion
https://chromewebstore.google.com/detail/seo-minion…
オンページSEOの分析やリンクチェック、Google検索結果のプレビューなどを提供するChrome拡張機能です。
Hreflangタグの検証にも対応しています。
おすすめの使い方
競合サイトのSEO比較や、内部リンクの最適化に役立ちます。
7.Detailed SEO Extension
https://chromewebstore.google.com/detail/detailed…
ページのSEO要素(タイトル、メタデータ、altタグなど)を簡単にチェックできるChrome拡張機能です。
おすすめの使い方
競合サイトのメタデータや構造化データ、内部リンク構造などを手軽にチェックできるため、競合分析や自社サイトの改善ポイントを見つけるのに最適です。
8.Link Redirect Trace
https://chromewebstore.google.com/detail/link-redirect…
リダイレクトのチェーンやステータスコードを確認するChrome拡張機能です。
特に、リダイレクトの種類(301、302など)を一目で確認でき、SEO上のリダイレクト問題を特定するのに役立ちます。
簡単に説明すると、301は永続的な移動、302は一時的な移動です。
- 301 Moved Permanently
- リクエストされたページが恒久的に新しいURLに移動されたことを示します。
SEOでは、旧URLの評価を新URLに引き継ぐため、検索エンジンにとって重要なリダイレクトです。 - 302 Found(一時的リダイレクト)
- リクエストされたページが一時的に新しいURLに移動されたことを示します。
旧URLはまだ有効であり、SEO的には評価が引き継がれないため、一時的な用途に使用されます。
おすすめの使い方
ウェブサイトのリダイレクト設定を確認し、無駄なリダイレクトやエラーを特定し、サイトのパフォーマンスを最適化します。
9.Rank Mathe
https://wordpress.org/plugins/seo-by-rank-math/
WordPress用の強力なSEOプラグインで、オンページSEOの最適化に役立つ多機能なツールです。
内部リンク構造、キーワード分析、サイトマップ作成、リダイレクト設定など、包括的な機能を無料で提供します。
おすすめの使い方
WordPressを使っているサイトであれば、おすすめのプラグインです。
特に、SEOの初心者でも分かりやすいインターフェースが特徴で、簡単に各種SEO施策を実行できます。
10.Little Warden
ドメインの有効期限やSSL証明書の有効期限を自動で監視し、期限が近づいた場合や設定に問題がある場合にアラートを送るサービスです。
おすすめの使い方
サイト管理者が定期的に確認する必要があるドメインの期限切れや、SSL証明書の問題を未然に防ぐことができます。
特に、複数のドメインを管理している場合に有効です。
オンページSEOツールの選び方
オンページSEOツールを選ぶ際には、以下のポイントを参考に、最適なツールを選定しましょう。
ツールの機能と目的の一致
例えば、内部リンクの最適化が目的の場合は、内部リンクに特化したツールを選択します。
HTTPステータスコードエラー把握なら、HTTPステータスコードを確認できるツールが役立ちます。
使いやすさとユーザーインターフェース
マーケティングを広範囲に担当する人であれば、複雑なツールを使いこなすのは時間的コストがかかります。
初心者でも直感的に使えるツールを選びましょう。
レポート機能とデータの可視化
効果測定や分析を行う際、分かりやすいレポート機能を持つツールは有用です。
グラフやチャートを使った可視化機能があると、経営陣への報告やチーム内の共有も容易になります。
無料プランの制限と拡張性
無料プランでも十分に機能を活用できるか、また将来的に有料プランへの移行が必要かを考慮しましょう。
成長に合わせて機能を拡張できるツールを選ぶことが、長期的な投資対効果を高めます。
サポート体制とコミュニティ
サポート体制が整っているか、もしくは活発なユーザーコミュニティがあるツールは、トラブル発生時に頼りになります。
特に無料ツールでは、サポートが制限されている場合もあるため、公式ドキュメントの充実度やコミュニティの活動を確認しましょう。
オンページSEOとオフページSEOの違い
オンページSEOとオフページSEOは、どちらもサイト全体のSEO戦略において重要な役割を担いますが、それぞれの施策内容とアプローチが異なります。
オンページSEOは、ウェブサイト内の要素(コンテンツ、内部リンク、メタデータ、ページ速度など)に焦点を当て、サイトの利便性や検索エンジンへの適合性を向上させる施策です。
これに対して、オフページSEOは、外部リンクの獲得や、ソーシャルメディア上でのシェアを通じて、ウェブサイトの外部からの評価を高めることを目的とします。
両者を組み合わせることによって、検索エンジンのランキングを総合的に向上させることができますが、まずは内部から改善を図るオンページSEOに取り組むことが効果的です。
まとめ
オンページSEOは、特に予算やリソースが限られている中小企業や個人事業主にとって、重要なSEO戦略です。
内部要素を最適化することで、検索エンジンからの評価を高め、より多くのターゲットユーザーをウェブサイトに集客することができます。
本記事で紹介した無料のオンページSEOツールを活用し、自社サイトのパフォーマンスを向上させましょう。
正しい施策を実行すれば、少ないリソースでも効果的な結果を得ることができ、競合他社と差別化することができます。
オンページSEOは決して一度きりの施策ではなく、定期的な改善が求められる継続的なプロセスです。
まずは、基本的な施策から始め、各ツールを効果的に活用して、検索エンジンでの上位表示を目指しましょう。