「思っていたサイトと違う仕上がりになった」
—そんな行き違いは、初期のヒアリング不足が原因であることが少なくありません。
クライアントの要望やプロジェクトの目的を正確に理解するため、多くの制作者がヒアリングシートを活用しています。
しかし、よく公開されているヒアリングシートは、ドキュメントダウンロードや会員登録が必要なものが多く、今すぐ使いたい場面では煩わしさを感じることもあります。
そこでココミルでは、「Webサイト設計ヒアリングシート(PDF出力ツール)」を公開しました。
↓
Webサイト設計ヒアリングシート(PDF出力ツール)を使ってみる
このツールは登録不要・完全無料。ブラウザ上で項目を入力するだけで、誰でもすぐに、整った形式のPDFをダウンロードできます。
この記事では、ツールの特徴と各ヒアリング項目のポイントについてご紹介します。
これまでのヒアリングシートと何が違う?
一般的に公開されているヒアリングシートは、ExcelやWordのテンプレートをダウンロードして使用する形式が多く、やや手間がかかります。
今回のツールでは、そうした煩わしさを取り除きました。
- 資料請求フォームが不要
- テンプレート配布サイトでは、メールアドレスなどの登録を求められることもありますが、本ツールでは一切不要です。
- ファイル編集の手間なし
- WordやExcelファイルを開いて編集・保存する必要がなく、ブラウザ上でそのまま入力・出力できます。
- すぐに使える
- ツールにアクセスしてすぐに入力を始め、完了後はそのままPDFとして保存可能です。
こちら[各項目を入力]→[PDF出力]したサンプルになります。
↓
PDF出力サンプル
ヒアリングシートの使い方と項目詳細
このヒアリングシートは、Webサイトの目的や方向性を整理し、プロジェクトの土台を築くための設計図のような役割を果たします。
入力を進めるだけで、社内・社外の関係者との共有に適したPDFが完成します。
主な項目は次のとおりです。
1. Webサイトの目的を明確にする
プロジェクトが目指すべきゴールを最初に定義します。
ここが曖昧だと、コンテンツの方向性がぶれてしまいます。
ここでの入力項目は次のとおりです。
リード獲得
見積もり依頼や無料体験の申し込みなど、見込み客の情報を得ることが目的の場合に記入します。
商品販売
ECサイトのように、具体的な商品をオンラインで販売することが目的の場合、主力商品などを記入します。
ポートフォリオ紹介
実績や制作事例を見せ、技術力やデザイン性をアピールすることが目的です。
情報提供・教育
企業の専門知識やノウハウを発信し、業界での権威性や信頼性を高めることが目的です。
その他
採用活動、既存顧客へのサポート、イベント告知など、上記以外の目的を記入します。
今後6~12ヶ月で達成したい目標
「毎月10件の問い合わせを獲得」「オンライン売上月50件」など、計測可能な目標を設定することで、プロジェクトの成功基準が明確になります。
訪問者に取ってほしい行動
最終的にユーザーに何をしてほしいのか(問い合わせ、購入、メルマガ登録など)を定義します。
2. ターゲットユーザーを定義する
「誰に届けたいWebサイトなのか」を具体的にします。
ターゲット像が鮮明であるほど、共感してもらえるコンテンツを作成できます。
ここでの入力項目は次のとおりです。
主なターゲット層
「30代の共働き世帯」「地元に住む高齢者」など、サイトの主な受け手を設定します。
セグメント
ターゲットをさらに細分化します。
「リフォーム検討中の持ち家世帯」「出産を控えた30代女性」のように、より具体的な状況を想定します。
年齢層・職種など
ターゲットの基本的なプロフィールを整理します。
顧客ニーズ
ターゲットが日常で感じている課題や、解決したい欲求を書き出します。
Webサイトが提供すべき価値の核となります。
想定される懸念
「料金が不明瞭だと不安」「手続きが面倒そう」など、ユーザーが利用をためらう要因を予測し、先回りして解消するコンテンツを企画します。
想定検索キーワード
ユーザーが検索エンジンで使いそうな語句を整理することで、SEO戦略の基礎資料にもなります。
3. ブランドガイドを作成する
Webサイト全体に統一感を持たせるため、言葉遣いやデザインの基準(トーン&マナー)を定めておきます。
ここでの入力項目は次のとおりです。
ブランド名・キャッチコピー
覚えやすく、魅力が伝わる名前と一文を設定します。
ブランドボイス
「信頼感のある」「親しみやすい」「遊び心がある」など、サイトの“人格”を言語化します。
メインカラー・サブカラー
ブランドの印象を左右する色を定めておくことで、デザインに一貫性が生まれます。
まとめ:ヒアリングシートを活用してプロジェクトを円滑に
今回ご紹介した「Webサイト設計ヒアリングシート(PDF出力ツール)」は、入力からPDF作成までがシンプルで直感的に行えるツールです。
- Webデザイナー・ディレクターの方へ
- 打ち合わせ時にクライアントと一緒に画面を見ながら進めたり、事前に宿題として記入をお願いしたりすることで、手戻りの少ないスムーズなプロジェクト進行が期待できます。
- Webサイト制作を依頼したい方へ
- ご自身の考えを整理したうえで依頼に臨むことで、制作側との認識のズレを減らし、納得感のある成果物につなげられます。
このツールが、Web制作のスタート地点である「ヒアリング」をよりスムーズにする一助となれば幸いです。
ぜひ一度、お試しください。
↓
Webサイト設計ヒアリングシート(PDF出力ツール)を使ってみる
情報参考ページ:
The Ultimate Website Planning Template: Everything You Need to Get Right
Webトラフィック解析ダッシュボードの公開
ココミルでは、LookerStudio利用して「Webトラフィック解析ダッシュボード」を公開しました。
必要なのは解析したいGoogle Analytics(GA4)やSearch ConsoleなどのGoogleアカウントのみです。