Googleサーチコンソールでコンテンツを更新したページのインデックス登録をリクエストした際、予期せぬエラーメッセージに直面したことはありませんか?
- 「インデックス登録リクエストに失敗しました」
- 「ライブテスト中に、URL のインデックス登録に関する問題が見つかりました」
本記事では、この「サーバーエラー(5xx)」が原因でインデックス登録に失敗する事象について、その原因の切り分け方から具体的な解決策までを、実際の事例を交えて体系的に解説します。
▼アフター【インデックス登録が正常に完了】
結論から述べると、この問題の多くはGoogle側ではなく、ウェブサイト側のサーバー設定やCMS(特にWordPress)の環境に起因します。
しかし、原因の特定と対処は、手順を踏めば決して難しいものではありません。
本記事が、迅速な問題解決の一助となれば幸いです。
「サーバーエラー(5xx)」とは?
「サーバーエラー(5xx)」とは、ウェブサーバー側で何らかの予期せぬ問題が発生し、リクエストされた処理を正常に完了できなかったことを示すHTTPステータスコードの総称です。
ブラウザやGooglebotが「このページの情報をください」とサーバーにリクエストした際に、サーバー内部で問題が発生し、「申し訳ありません、リクエストに応えられません」と応答している状態と捉えると分かりやすいでしょう。
Googleサーチコンソールでこのエラーが報告されるのは、Googlebotがページ情報を取得するためにクロール(巡回)した際、この「5xxエラー」の応答を受け取ったためです。
「ページの取得に失敗しました」という事象が記録され、インデックス登録が保留または失敗となります。
ブラウザでは正常に表示されるのは、なぜ?
「自分のPCやスマホでは表示できるのに、サーチコンソールではエラーになる」という疑問点について、これは主に次の理由によるものです。
- タイミングの問題:Googlebotがアクセスした瞬間だけ、サーバーに高負荷や一時的な不具合が発生していた可能性があります。
- アクセスの違い:一般ユーザーとGooglebotではサーバー側での処理やセキュリティチェックが異なり、Googlebotのアクセスだけがブロックされることもあります。
つまり、「ユーザーには見える=Googlebotにも見える」とは限りません。
このエラーは、クロール時の応答に問題があることを示すサインと捉えましょう。
【事例】WordPress構築サイトでは「プラグイン」の干渉を疑う
ご紹介する事例では、最終的に判明した原因は、WordPressで導入していたプラグイン「Asset CleanUp」にありました。(2025年8月インストール時点)
このプラグインは、不要なスクリプトやスタイルを読み込まないようにすることで表示速度を改善する優れた機能を持っています。
しかし、その一方で、Googleのクロールやインデックス登録の処理と干渉を起こすことがあり、結果として「サーバーエラー(5xx)」が発生しました。
ここで強調したいのは、「Googleの不具合ではなく、サイト側の環境が原因であった」という点です。
特にWordPressで構築されたサイトでは、便利なプラグインが多数存在する一方で、それらが互いに競合したり、外部からのアクセス(Googlebotを含む)に想定外の影響を与えたりすることがあります。
したがって、もしWordPress構築サイトで同様の「インデックス登録リクエストの失敗」が起きているなら、まずは「高速化系」や「キャッシュ系」のプラグインに注目してみてください。
原因となるプラグインを特定する手順
どのプラグインが「サーバーエラー(5xx)」の原因となっているのかを切り分ける方法を解説します。
1.バックアップを取る
プラグインの有効化・無効化を繰り返す作業では、思わぬトラブルが発生する可能性もあります。
万が一に備え、サイト全体のバックアップ(ファイルとデータベースの両方)を取ってから作業を始めましょう。
2.プラグインを一つずつ無効化してテストする
最も確実な方法は、プラグインを一つずつ無効化し、その都度「サーチコンソールのライブテスト」を実行することです。
- 任意のプラグインを「無効化」する
- Googleサーチコンソールで該当URLを「ライブテスト」
- 結果に変化がなければ、そのプラグインを再度有効化し、次のプラグインで同じ作業を繰り返す
作業は地道ですが、この手順で進めれば、どのプラグインが問題を引き起こしているのかを絞り込むことができます。
3.特に疑うべきプラグインの種類
効率的に進めるために、まず以下のジャンルのプラグインからチェックするのがおすすめです。
- キャッシュ系プラグイン(例:WP Super Cache、W3 Total Cache など)
→ ページのキャッシュ処理がGooglebotに影響する場合があります。 - 表示速度最適化系プラグイン(例:Asset CleanUp、Autoptimize など)
→ JavaScriptやCSSの最適化処理がクロールを妨げることがあります。 - セキュリティ系プラグイン(例:Wordfence Security など)
→ Googlebotのアクセスを誤ってブロックする可能性があります。
これらのカテゴリは、トラブルの原因となることが多いので、優先的に確認してください。
地道な作業に見えるかもしれませんが、「バックアップ → 一つずつ無効化 → サーチコンソールでライブテスト」を繰り返すのが、最も確実な特定方法です。
原因プラグインが見つかれば、その設定を調整するか、必要に応じて代替プラグインへの切り替えを検討しましょう。
プラグイン以外に考えられる3つの確認ポイント
プラグインを一通り確認しても解決しない場合、原因は別のところに潜んでいる可能性があります。
ここでは、プラグイン以外に考えられる3つの確認ポイントを紹介します。
ポイント1:セキュリティ設定を確認する
サーバー側で設定されているセキュリティ機能(例:WAF=Web Application Firewall)が、Googlebotのアクセスを「不審な通信」と誤認し、ブロックしてしまうことがあります。
特にレンタルサーバーやクラウドサービスを利用している場合、デフォルトのセキュリティ設定が強めに働くケースも少なくありません。
サーバー管理画面やセキュリティログを確認し、Googlebotのアクセスが遮断されていないかチェックしましょう。
ポイント2:サーバーの稼働状況を確認する
「サーバーエラー(5xx)」は、その名の通りサーバー側の問題が直接原因であるケースもあります。
- サーバーに高負荷がかかっていた
- メンテナンス中で一時的に応答できなかった
こうした状況は、サーバー会社の公式サイトにある「障害・メンテナンス情報」で確認できます。
エラーが出たタイミングと照らし合わせて、サーバー側に原因がないかを確認してみてください。
ポイント3:サーバー会社へ問い合わせる
すべて確認しても解決できない場合は、サーバー会社に直接問い合わせるのが最終手段です。
その際には、以下の情報をあらかじめ整理して伝えると、対応がスムーズになります。
- 発生しているエラーメッセージ(例:「サーバーエラー(5xx)」)
- エラーが起きた日時
- 自分で試した対応(プラグイン無効化、サーチコンソールでのライブテスト など)
この情報を共有することで、サポート担当者が状況を正確に把握しやすくなり、解決に繋がる可能性が高まります。
まとめ
Googleサーチコンソールで表示される「サーバーエラー(5xx)」は、一見するとGoogle側の不具合のように思えますが、実際にはサイト側の環境や設定が原因であるケースがあります。
特にWordPressで構築されたサイトでは、プラグイン同士の干渉や外部サービスとの相性によって、Googlebotのクロールを妨げてしまうことがあります。
今回の事例でも、高速化プラグイン「Asset CleanUp」が原因となっていました。
解決のポイントは「一つずつ原因を切り分けること」です。
- まずは高速化系・キャッシュ系プラグインを優先的にチェック
- 解決しなければ、サーバーのセキュリティ設定や稼働状況を確認
- 最終的にはサーバー会社に相談
この手順を踏めば、原因が見つかります。
トラブルに直面すると焦ってしまいがちですが、慌てず一歩ずつ確認していくことが、最短の解決ルートです。
今回の実体験を共有することで、同じエラーに悩む方が迅速に対応できるきっかけになれば幸いです。
制作者より
本記事は、WordPressサイトの不具合対応を日々行っているホームページ制作者の実体験をもとに執筆しています。
同じようなトラブルでお困りの方や、サイト運営で不安を感じている方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。